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2008年9月22日

●総裁選、そう再選

方や総裁選、方や無投票再選。
後者はともかく、前者も思いの外盛り上がりにかけたような。白けた感が出てましたですね。

休日出勤していた事務所に某新聞社から電話がかかってきました。
パートさんが電話を受けたのですが否応なしに私のところに押しつけられまして、何かと聞いてみると、「総選挙が近いとみられる情勢のなか、選挙となった場合、何を投票の判断材料にされますか?」とのこと。

要するに、党の代表である麻生さんVS小沢さんという構図で見るのか、政党である自民VS民主という構図で見るのか、ということを聞きたかったようです。

今回の総選挙で勝利した方が政権与党となるのは確実な情勢です。
自民が勝ったとしたらねじれ国会のまま続いて混乱するだろうし、民主が勝ったとしたら民主が初めて政権与党となるけどたぶん混乱する。前者の混乱の影響は有権者が身をもって知ったわけですし、後者の場合、報道の通りとすれば、共産党の志位委員長ですら「小沢首相誕生」に含みを持たせていますし、場合によっては公明党が連立相手を民主に鞍替えすることだってありうるわけです。

で、取材に対しては「どこまで生活者の視点を感じさせる政策を入れてくるか、政党の政策で判断する」と明確に答えました。首相が誰になろうが、その前提となる政策がしっかりしていないと無理なわけですよ。もっとも、政策を立てていようが、今年の通常国会でみられた審議拒否による国会運営の混乱のように、まったく活かされない事も有権者はこの目で見てきていますが・・・。
しかし、それとて政策があったからこそ、自分の立てた政策実現を放棄するのか、と言えるわけですよね。なので、政策重視でみます。限られた字数のなかで国民に対して説得力を持つ政策を書いてきた政党を評価したい。国民に主体性を重視させる事に期待したい。


しっかし、もうまもなく衆議院解散となる見通しですが、解散が議決されたときに万歳する、これほど国民をバカにした「儀式」はありません。定年(任期)まできちんと勤め上げて万歳するのはいいことですが、任期途中で「失職」するのに万歳するとは。

2008年9月 3日

●二重の虹

今年の夏は仕事の関係で県内を走り回っています。
10月にかけて折を見ながら県内全市町村を回る計画で、とりあえず半分まで終わりました。
車の走行距離が伸びる伸びる(汗)


今日は久々に金屋から龍神に向けて車を走らせまして。
金屋から美山を通って龍神に向かうR424~425のルートはかつては和歌山-新宮間最速ルートをなしていましたよね。今となっては阪和道混雑時の迂回ルートと化している間もなきにしもあらずですが・・・。

とはいえ、今もまだ整備は続いてまして、しばらく来ない間に、修理川BPと福井BPの工事がかなり進んでるようで。前者はあとは「しらまの里」からの接続部のトンネルの掘削が始まればおおよそ姿が見えてくる感じ。後者は全体像はまだパッと見はわかりませんでしたが、クランク状になっていた箇所が1カ所解消されていました。

これができればこのルートもいっそう走りやすくなる、のですが、平日の午後、交通量は閑散とした状態。また龍神は高野龍神スカイラインの無料化や阪和道延伸にともなって日帰り客はなんとか微減にとどまっている一方、宿泊客数ががた落ちだとか。道路建設による一時的な経済効果はあったとしても、その後の地域への経済効果は確実にマイナスになっているわけです。

道路整備は確かに地元も求めていることですが、それが地域全体にとってプラスになるのかは、十分な検証がなされているのか、もしマイナスになる可能性があるなら対策が取れているのか。
とかく道路整備では時間短縮等のメリットばかり取り上げられますが、人口や消費の流入・流出(地方では後者の方が多いのですが)の検討って適切になされているのか。ストロー効果という言葉もメジャーになって久しいはずなのにこういう論議ではまったく出てこない。

地域づくりは多面的にみないといけん、と痛感させられました。


龍神での案件を済ませてから虎ヶ峰を越えて田辺市街地へ。
ちょうど龍神から峠を越えるまでにわか雨に遭いまして、山の方をみますときれいな二重の虹が。
時間がなくてゆっくり眺めることはできませんでしたが、久々に間近で虹をみた気がします。

夏の夕立の後、虹を追いかけてあてもなく車を走らせたかつての日を懐かしく思い出したのでした・・・。

2008年6月28日

●末恐ろしくなってきた

子育て支援活動をしている施設の協議会の事務局長をボランティアでやってます。
去年、会の仕切り直しをしたこともあって、会にお金はなく、案内のファックス、会議レジュメの作成・印刷、各施設の情報収集など、事務局を担当している3人がすべて持ち出しでやってきました。

今年、改めて会を動かすのに、施設から会費を取ろうとすると「なんで?」という意見が出てきました。
曰く「去年会費なしでやってこれたんだから、なぜ今年から会費が必要なのかわからん」と。
さすがにカチンときて、一昨年までは会費を取ってそれを運営資金に充ててきた。去年は年度途中の仕切り直しだったため、すべて事務局個々人の持ち出しでやってきたんだ、ということを(もちろん穏便に)伝えたのですが、なかなかしっくりこないみたい。施設運営に費用がかかるのと同じように、施設の運営をとりまとめる協議会の運営にもそれなりのお金が必要なんだ、ということが間接的な関わりでしかないがゆえに伝わらないんですね。

子育て支援活動は子どもが成長するにつれて、保護者も代替わりをしますから、年月が経つにつれて熱意が薄れてきて、また施設や法律上の定義など、重要な話が伝えられなくなりつつあって、保護者は単なる「施設の利用者」の立場になってしまう。これはこの業界であれば半分常識的に言われていることなのですが、児童福祉法の趣旨のひとつである「地域が主体となった子育て活動を展開する」ことを伝えても糠に釘のような状態。
よく考えると、すでに今の親が地域ぐるみでの子育てをされていない。いくら親に、地域みんなで子どもたちの育ちを見守るんだ、と伝えても、自分に実感がなければわけわからんのは当然の話、なのかもしれません。

そこにきて行政も財政難から切りやすいところからお金を切っていっている。子育て支援事業のお金を切ってどうやってその自治体の子どもたちの豊かな育ちが保障できるでしょうか。また明確な子育て支援のビジョンがない。厚生労働省に「無理やり」作らされた次世代育成計画も簡単にコンサルにポンと投げてしまうような自治体に、心豊かな子どもが育つ土壌があるはずはありません。

それだけ行政の政策立案能力が衰えている(背景には地方分権といいながら実は中央集権型になりつつある官僚の姿勢が見え隠れするのですが)のと、そこに住む大人の未熟さ。新しい自治の形なんてみえっこありません。

こりゃもう頭打って気づいてもらうしかないか?とまで内輪の話は出たのですが、こういう活動はいったんぽしゃると立て直すパワーはとてつもなく大きいので、なるたけ親世代にもわかりやすいように事業を組み立て直して提示するしかないか、という結論に至りました。

そうか、「行間」を読んでくれるだけの余裕がないのか、と思わざるを得ないのがなんだか悲しい。

2008年6月17日

●ないも同然の計画?

 先日、和歌山市がJR六十谷駅周辺のバリアフリー計画を発表しました。

 実は、この計画書はWebに掲載される少し前に、地元の方に見せていただいていまして、おおよその概要は把握していたのですが、全体を見るのは今日がはじめてでしたので、さらっとながめてみました。さりげなくwapが引用されていてうれしかったり。
# まもなくwapの4月23日改訂バージョン出ますよー。

 この計画のなかでは、2010年までに六十谷駅自体のバリアフリー化(エレベーター、多機能トイレ、LED 式発車標の設置のほか、スロープの改良、スロープへの屋根と手すり・点字案内板・誘導チャイム等の整備)をおこなうことが謳われています。これはJR西日本の主担当になります。
 また、バスについても低床車を順次導入する、とあり、実際に六十谷駅前を通るバスはほとんどが低床車になっています。これは和歌山バス、和歌山バス那賀の主担当になります。

 が、周辺道路の整備や電柱の移設等はほとんどが長期計画(=2016年以降)、とあります。8年先にやります、なんてこのご時世、ないも同然の計画かもしれず、結局事業者任せになってしまった計画にみえます。和歌山市やる気あるんかい、って話なのですが、別に市の担当者が悪いのではなく、和歌山市をはじめとした行政の財政難に加えて、都計道西脇山口線の工事との兼ね合い、もともと住宅密集地であること、近隣に和歌山北ICが開設される関係等が複雑に絡み合っているようです。

 西脇山口線は都市計画道路として楠見小学校以西がおおむね完了していまして、今年度中には鳴滝川まで完了する見込みとのこと。また開智高校周辺や先日新装されたオークワ六十谷店付近は拡張工事が行われていますが、鳴滝川からオークワまでは道路の両側に建物があることから虫喰い状態が続いています。またJR六十谷駅南のガードの拡張をめぐっては工事方法がまだ未確定とか。ゆくゆくはその名の通り山口地区まで伸びるはずなのですが、そこまで伸びるのにあと何年かかることやら・・・(おそらく川辺のイズミヤスーパーセンターそばで鋭角にくいっと不自然に曲がっている、あの地点にたどり着くのではないかなと踏んでいます)。

 で、住宅密集地という課題です。JR六十谷駅から北の方向に数万人規模の住宅地が広がっていますが、取り付け道路が狭い。地元からバス路線設置の要望があったそうですが、道幅が狭いこと、勾配が多いことなどでバスの運行は事実上不可能。第一、最寄り駅の六十谷駅前が普通車でも離合困難な形ですから、駅前乗り入れなんて夢のまた夢。せいぜい西脇山口線が開通した上でハイエースコミューターあたりでコミバス形式で走らせるのが関の山でしょう。
 これは数年前からおいらが指摘してきたことなのですが、実はここにきて地元の方が立ち上がりました。まずは地元で福祉有償運送ができないか、ということの議論から始まったのですが、福祉有償運送はハードルが高い。ならばお年寄りに生き甲斐づくりの場を提供することからはじめて、お年寄りに元気になってもらおう、と。さすれば移動困難者が相対的に減りますから、地域の助け合いの機運が醸成される。そのなかで資金をうまく循環させるなかで、移動制約者の問題等にも関われるようになれれば、ということです。
 20年30年先の住民のことなどほとんど顧みないような形で進められた住宅開発のツケを住民が背負わされた格好になっているのですが、それを住民自らのチカラで解決しようと動き出しているわけです。

 行政の計画は、市長や担当者が変わったりすると二転三転しうるものです。でも、そこに住む住民自らが考え立ち上がる計画はそうコロコロかわることはありません。
 六十谷駅バリアフリー計画は一見、ないも同然の計画かもしれませんが、実は地域住民によってソフトの部分は形作られつつあります。今後の動きに注目したいと考えています。

2008年5月 1日

●暫定税率という愚策

普通にガソリン減ったからスタンドに行ったら15分待たされたたまさんです、こんばんは。
どうせ近々入れなきゃなんないなら今日かなと思ったらこの結果。
一応、1000円ほどトクした計算にはなるんですけど。

でね、暫定税率が明日から復活。
もうね、バカかと。

続きを読む "暫定税率という愚策"

2008年4月20日

●和歌山(関西)が発展しないわけ?

昨日、昼は研修、その後深夜まで打ち合わせ。

正月に日経新聞だったかが、都道府県別の「潜在成長率」を発表したところ、和歌山県だけが唯一マイナス(笑)。
記事自体を正確に見たわけではないので、それを見ての論評はできる立場にあるわけではないのですが、県の政策系部局の方は、率を算出した根拠となった各種統計の集計期間に要因があるようなことをおっしゃっていたやに記憶しています。

昨日の研修・打ち合わせの講師は、全国を飛び回ってたくさんの行政や企業などの事業にコミットされているので全国の様々な情勢をご存じなんですね。
その「潜在成長率の低い県」は実は関西と四国が多いのですが、特に率の低い県に共通しているのは「ワークショップが成立しない」のだそうです。新しいことをしようとするとすぐに足を引っ張る勢力が出てくる、とか、人の意見を聞かない、とか、同じ地域課題があってもまとまらない、とか。

昨年、その方を招いて県内某市で研修をやったのですが、実際の事例を引用して、住民側が行政に対して感じている不満があるなら、数字などの具体的な根拠を示しながらちゃんと行政に納得してもらえるような戦略を立てて提案していけばいいんですよ、っていう話をされたにも関わらず、「数字などの具体的な根拠を示しながらちゃんと行政に納得してもらえるような戦略を立てて」が抜け落ちたまま、後日行政に文句だけを言いに行った人がいて、その市からクレームがきて難儀したのです。まさに「ワークショップが成立しない」。あぁ納得(苦笑)。

その方曰く「大阪や和歌山の経済は今後発展する余地が少ない」と。
つまり、「関西人はケチ」と一般によく言われることがその遠因でして、昔はそれでよかったものの、今はサービスの「付加価値」が大事な時代。せっかくいいものを作っても「関西では(付加価値をつけても)買い叩かれる」ために関西で新しい付加価値をつけた事業を展開するのがとてもしづらい環境にあるんだそうです。

要は、そのサービスに見合った対価は支払おう、という機運に欠けるっちゅうことじゃないかな、と。


よく和歌山では例に挙げられるのですが、和歌山と大阪で同じ内容の講演会を開催するとします。

大阪では無料で開催。和歌山では参加費2000円で開催。

和歌山県民はどちらに行くでしょうか?


多くは大阪なんです。往復2000円以上の交通費がかかるのに(笑)。
和歌山で聞いたほうが、和歌山の実情に応じた話も質問も聞くことができるんですけど・・・。
お金以上に損なんですよ。でも無料だから、ということでそちらに流れちゃうんですね。


そこで昨日の話に戻るのですが、和歌山では相当程度以上の付加価値の高いサービスを提供しないと、あるいはその意義を見せないと、対価を支払ってそのサービスを提供しようなんて機運を起こせない、っちゅうことなんです。サービスを与えられ続けてきた文化に慣れちゃって、サービスを提供するのに必要な費用のことなんてみえない。
行政が民間に事業を任せるときに事業費のみで管理費が認められないなんてケースはザラです。管理費がないとどうやって人を雇用すんねん!事業を回すねん!って話なのですが、行政から仕事をくれる!ってすぐに飛びついちゃうとそれが地域のデファクトスタンダードになっちゃう。だから事業がすぐに息切れして新しいことが長く続かない。

そういった地域を超えた課題、分野を超えた課題を見通すチカラをつけて、課題解決に向けた動きをつくっていかんとあかんよね、っていうのが昨日の趣旨でありました。


ちなみに、おいら自身は和歌山の一番の欠点はほかの県ならたいていある県域紙が皆無ということだと考えてます。

神戸でのシンポジウムでパネラーとしてご一緒させていただいた社会学の先生に言わせると「逆にここまで市域紙が残っている県は和歌山くらいですよ」なんですが(確かに、わかやま新報は別として、御坊に2紙、田辺に1紙、新宮に2紙残ってます)、県全体を見渡して継続して物事を追っかける県域紙がないんです。四大紙の支局の記者さんは頑張ってらっしゃいますが-先日、某新聞の記者に不快な思いをさせられたところですが-やっぱり2年3年で転勤するし

つまり、県域紙がないがために県全体の情勢を知る術がないわけですわ。だから、断片的な情報を元に判断せざるを得ない。ネットであーだこーだ勝手に誹謗中傷しても物事は先には進まない。

日経新聞は潜在成長率はマイナスだって書きましたが、策定委員を務めさせていただいている某市のマスタープラン策定会議で年配の委員さんが「和歌山っていろんな人材を輩出しているんですよね」と。そう、松下幸之助などの企業人、中上健次や有吉佐和子といった文化人(文化人は新宮が多いけど)なども多く輩出しているんです。統計だけで算出した潜在成長率は低くても、ポテンシャルは高いはず!

・・・と思いたい。思わせてくれる何かに会いたい。そう思う今日この頃です。

2008年4月16日

●そんなの知らないよ

某所で書いたものを一部修正の上転載。

後期高齢者医療制度が混乱中。保険証が手元に届かないとか、知らずに捨てちゃったとか、云々かんぬん。
メタボ健診もそうですが、得てしてこういう福祉系の制度はばたばたしたまま制度が始まっちゃうものです。

先日いつものクスリをもらいにいきましたが、19時以降は調剤料が一律40点上乗せされちゃうようになったのね。びっくり。初めて知った。ほかの単価が下がって従前と支払額がぴったり同額になっていたのが幸いだったのですが・・・。

で、今日テレビを見ていると、いつの間にやらフリーになっていた池上彰氏が「実は後期高齢者医療制度の実施って小泉内閣の時に決まっていたんですよ。つまり、あのときに小泉さんは改革には痛みを伴うとおっしゃっていましたが、その小泉さんを支持した国民の意思がこういう形で現れていると言えるんですね。」とコメントを。

池上氏のコメントも正論なんですよ。ただ、今の日本は「なんちゃって間接民主主義」状態。しかも内閣も大臣もころころ変わる。2代前の内閣が決めたことが実施されやんとしているなか、対応を迫られている現内閣も現大臣もたいへんだこりゃ。 ましてや制度の混乱ぶりは伝えられるけど、この制度は誰がどういう趣旨でどのようにして決めたのかっていう根本がほとんど伝えられていない。

改革には痛みを伴う、といった小泉を圧倒的支持率で総理大臣に迎え入れた、ひとつの結果がこの制度なんだ、ってほとんどの人は知らない。いまの内閣の責任だって思ってるはず。

そんな状態の日本で、政治に国民参加を、って言われても筋が通りっこない。投票という行動でしか政治に意志を表明できない一介の日本人の選挙に対する無力感はこういうところから起きるんだなー、って思ったのでありました。

したら、毎日新聞が今日の社説に書いてました。

去年の自民大敗北がなければもっと負担が重くなっていた(と思われる)とか。
そういえば郵政解散もバカバカしかったし(ほかの論点が全部飛んじゃった)、いろんな事がいわゆる「政争の具」に使われているようで、庶民の生活がかかっていることなのにこんな顛末。
結局いまの政治というものが如何に脆くてあっけないものかがどんどん露呈されつつあるような・・・。

2008年4月12日

●ついにきましたよ。

イズミヤスーパーセンター紀伊川辺店オープンのプレスリリースが出ました。

結構大がかりな店舗展開になりそうですね。泉南方面に流出していた紀ノ川筋の消費を和歌山で食い止める算段でしょうか。

プレスを見る限りバス路線もできるようで、。バスの運行形態がどうなるのかにもよりますが、紀泉台あたりへ路線を伸ばして、岩出北部方面から公共交通ではまず行けないほかの大型店舗との差別化を図るのは間違いないでしょう。
しかし、あのあたりはかつてジャスコオークワ、サティ、ダイエーハイパーマートが競って共倒れになった経緯があるだけに、どうなることやら。

2008年3月27日

●ちょっと待ってよ、メタボ健診

「机上の空論、メタボ健診 新年度開始、自治体から疑問百出」
http://mainichi.jp/life/health/news/20080326ddm003100080000c.html

和歌山放送の番組でも和医大の駒井先生が批判的な意見を述べられていたやに記憶しています。血糖値など、ほかにも指標があるとはいえ、がっちりした体格の人はまずBMIや腹囲でひっかかりやすくなることも懸念されます。

毎日新聞の記事では「福岡県内のある市の試算では、保健指導の対象者は同市の国保加入者のわずか3%。血糖などに異常があっても、腹囲は基準以下という人も多いからだ」とされています。新聞記事ですから比較的極端な例かもしれないことを差し引いても、あまり意味をなさない健診になりそうなのは推測できます。


何よりも、記事中の
「「介護保険制度は何回も改正が繰り返された。特定健診でも同じことになるのではないか」。秋田県内の別の市は懸念する。厚生労働省の情報提供の遅れによる準備不足を不安視する声が目立つ。」
ですよ。

介護保険法、障害者自立支援法の時にも厚労省からの通知が次から次におりてきて、しかも来るたびに細かい修正が入っていたりして、いったいどれが正しいのか、現場(しかも県、市町村、福祉事業者の三者が三様に...)は制度導入間際まで大混乱していたのをよく聞かされたものです。県も正確な確定情報がなかなかおりてこないから市町村に通知できない、事業者はなおのこと。その話を聞いたときには、双方からつつかれる立場の県の担当者に同情したくなりましたです・・・。

かつて、とある児童福祉施策について研究した経験から、国の福祉系施策は「地方分権を目指す立場から地方の実情に応じた施策を展開する」ことになっていると理解していたのですが、介護保険といい、自立支援法といい、今回のメタボ健診といい、現場のことはお構いなしに「とにかく4月から導入せよ」の一本槍のようです。今の幹部が俺はこういうことをやったぞ的なアピール効果しかねらっていないとも邪推できます。

「急に国からこんな話が来て・・・」なんてことは県行政に携わっている方からはよく聞きます。また、国関係の予算を使って事業をしている方からも「昨日になって、あと2週間で事業計画を出してほしいと言われた」的な話もよく聞きます。
国はひょっとしたらそれを専門に仕事しているのかもしれませんが、県や市町村、事業者など末端はそれだけを専門の仕事にしているわけではありません。そこいらへんをあまり国の役人はわかっていないのでは、なんて話もよく聞くのも事実です。

結局中央集権にしたいのか?この国は。よく方向性がわからんです。


ちなみに、国の官僚はとにかくよく働くそうです。部局や個人によっても違うでしょうが、終電当たり前的な人も多いとか。それだけ仕事に没頭しているほうが健康に悪いような気がするのはわたしだけでしょうか。

2008年3月25日

●ちょっと待ってよ、暫定税率

 道路特定財源問題で持ちきりの国会ですが、それ以外でも影響でるよっていう毎日新聞の記事。
 今回の特定財源問題は「租税特別措置法改正案」によるもの、だそうですが、暫定税率=ガソリン税等という図式がクローズアップされていて、そればっかりと思われがちで、わたしもそう解釈していたのですが、じつは暫定税率はたくさんあるのだそうです。

 仮にすべての暫定税率が切れた場合、ガソリンや軽油などではなく以下の影響が出るのだとか。

 「たばこ税や土地売買にかかる登録免許税、酒税などの税率には高くなるものもある。マイホームなど土地売買にかかる登録免許税の税率は、現行の1%から2%に倍増する。改正建築基準法の影響で冷え込む住宅市場への影響が懸念される。
 酒は、中小酒造事業者向けの特例措置が切れる。地ビールの酒税は現行1キロリットル当たり17万6000円に抑えられているが、22万円に上がる。清酒は同9万円から12万円に、焼酎(アルコール度数25度)も同18万7500円から25万円にそれぞれ上昇する。
 また、日本国内に拠点を置く金融機関が海外で調達した資金を海外で運用する「東京オフショア市場」で、預金などの利子を非課税にする措置もなくなる。昨年末時点で約24兆円が運用されているが、税制メリットがなくなれば、一気に資金が逃げ出す可能性がある。」
(以上、毎日.jpより引用 http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080325ddm003010132000c.html)

 民主党では、ガソリン・軽油以外の暫定税率は継続する旨の法案も出しているようですが、現状、政策論争が行われていないなかで、この法案の可決も厳しい情勢とのこと。
 ってか、ガソリン・軽油以外の話ってあまり広く報じられていなくて、新聞の政治面をよく見ると載ってる程度。一応、四大紙のWeb検索では同様の記事が拾えますが、どうしても「ガソリン国会」とも言われるこの国会の「最大の争点」であるガソリン・軽油に注目がいってしまうのも無理はないかもしれません。

 個人的にはタバコは吸わないし酒もあまり飲まないし、土地を買う予定も当分ないから、上記の記事のなかでは「東京オフショア市場」の件だけが気になる程度なのですが、この事実を国民が広く知ったとき、暫定税率廃止の世論がどう変化するのか。
 いや、むしろこの話題があまり表沙汰にならなかった理由が知りたい。政策論争の過程の問題だけなのか?いや、政党や国政、マスコミのいずれかが出し惜しみしていたのか?とも疑りたくなりそう。

 暫定税率の期限まで1週間を切りました。子どものけんかみたいに「あっちが謝らないからだ」「議論のテーブルにすらつかないのはなんちゅうこっちゃ」なんてことしてるから、国会議員は何してるんだ的に国民に見えてしまうのだ、と思えてならないのです。一市民として情けないし、そういう人を国民の代表として国会に送り込んでいるわけじゃないんだよ!投票する気も失せるわ、って思われても仕方ないわさ。

2008年3月22日

●本末転倒

「道路特定財源でミュージカル」

センセーショナルに取り上げられたこの「未知普請」、以前和歌山でもやってたんです。
このご時世、なかなか豪勢な事してるなぁと思ってたら、財源がちゃんとあったんですね(^^;;

出張中の木曜日にイベントのお手伝いに出向いたのですが、そこでお手伝いいただいたボランティアのお一人がこの「未知普請」の運営ボランティアをされたようで、「未知普請」と背中に書かれたスタッフジャンパーを着てらっしゃったんです・・・。まったくもって一般の方で、どこにでもいるおっちゃんで、悪気はないのでしょうし、逆に今でも大切に着てらっしゃるのはいいことなんですが(笑)、今まさにそれが問題になってるんだよ!って言えないもどかしさ。。。

イベントの趣旨より財源が問題っちゅうことなんでしょうけど、こういう道路整備にかかるPR系予算が叩かれているがために、ある国交省の出先機関では、来年度の道路関係のPR予算が凍結されてしまい、そこが管轄する道路関係のWebが4月から閉鎖に追い込まれるそうです。

カラ出張で大揺れに揺れた某自治体では、その自治体以外への出張にかかる出張伺いの取り扱いが厳正になったせいで、うるさい決裁を必要とする出張伺いを作成する労力をかける余裕がないということで、隣の自治体に行く所用でさえ年休を取得し、出かけているとか。年休ですからもちろん交通費等も自費ですよね・・・。

センセーショナルに叩くと、末端ではこういう弊害が出てしまう。
大きいことが叩かれるとそれにつながっている小さくて本当に必要なものまでできなくなってしまう。
これってすごく矛盾しているし本末転倒な話なんですよね。

閉鎖されるというWebがどんな内容なのかはわかりませんが、事によっては何の関係もない一般市民が不便を被ることだってあるはず。某自治体でも、民間から言わせれば「まだ年休取れるだけマシ」という向きもあるかもしれませんが、その年休を取得するのが公務のためというのもなんだか。

モンスターペアレントも言われますが、現代社会は寛容性を失いつつある、と言われます。どこか居心地が悪く住みにくい世の中。なんだか世知辛いですね。

2008年1月27日

●行政の審議会に出る

先日、某市の審議会委員を仰せつかりまして、第1回の会合に出てきました。

実は行政主催の審議会や事業コンペ審査のような会委員として出るのは初めてではなく、見学もさせていただいたこともあるのですが、これまでは和歌山県や国の出先ばかり。逆に市レベルの審議会に出るのが初めてです。
しかも公募枠に応募して選任されたので、行政から直接お声掛けかかったわけではなく、なんだか自ら「逆輸入」したみたいです(苦笑)

こういうときは、委員にたいてい学識経験者枠があって、その人が事務局とあらかたの段取りの打ち合わせをしておいて、第1回目の会合で座長に誰を選ぶよ的な議題になったら委員の誰かが「事務局一任!」ということで事務局案を提示→異論なし、で座長になる、という暗黙の了解みたいなものがあります。
誰か「おら座長やりてぇべ」っていう人が出てきたら事務局はあわてるでしょうね(笑)。段取りも何もないから、会が紛糾すること間違いなしですが。

で、その審議会、某市のある計画の将来のあり方を検討しましょう、という会議でして、その市のいろんな分野の代表の方が来られているんですね。
・・・が、委員見回すといちばん若いのがおいら。十数人いる委員でおいらを含めて30代が2人だけ。50代以上の方が大半を占め、半分は60代以上とおぼしき感じ。もちろん、その道で長くやってきた方々ですから、それなりの見識をお持ちで、それぞれの分野の意見も反映させることができる、ということには間違いありません。

ですが、計画の将来のあり方を議論する場に、将来を背負って立つはずの今の30~40代がごく少数というのはひじょうに納得がいかなくて、フリーディスカッションで意見を求められた時に、次世代にこの計画を活かしてもらうためには今の若い世代の意見を反映させる方策を是非、と申し述べました。

ちょうど第1回ということで、今後の議論の方向性を探るという前提があったのは間違いないのですが、座長の先生がそれで水を得た魚のように、「そうですよね、次世代にどうこの計画に基づいた施策を提供するかが大事なんですよ」的にまとめを始められまして。お、ちょっと役に立ったかな、と、とりあえず委員としての役割を果たせた感がありまして、ほっとした次第です。

行政にどんどん市民の意見を入れていかねばならん!と思ってるおいらにとっては、堂々と意見を申し述べることができるこのような機会はどんどん活用していきたいですね。惜しむらくは、こういう会議は平日午後ってのが多くて、働いている人がなかなか参加できないってこと。私も今回は偶然公休と重なったので、難なく出席できただけで、なにか仕事の予定が入っているととたんに出席がややこしくなりますから。

次回は2月中旬か下旬と聞いています。何も重ならないといいのですが。

2008年1月 7日

●フォルテワジマ 情報発信の矛盾

旧丸正跡にプレオープンしたフォルテワジマ。
未だに公式Webがない。どういう店なのかさっぱりわからない。

地下の「フクロウの湯」なら温泉系サイトにたくさん掲載されているんだけれども、「フォルテワジマ」自身はWeb検索でもニュースやブログの記事等の個人的見解しか見あたらない(「フォルテワジマ」で検索したところ。Yahooではニュース和歌山、googleでは和歌山放送の記事がトップにきます・・・)。
後者の情報を総合すると、「オープン当初は賑わっていたものの、その後は・・・」「ってかモノ高っ!」的なネガティブな情報しか浮かんでこないんですが・・・。

しかし、一応、高級志向を謳っているのは事前報道で出ていたとはいえ、丸正ならタワーパーキングありましたがあれは再稼働しているのか、電話番号は何なのか(Yahoo電話帳でも「フォルテワジマ」はヒットせず。JR和歌山駅にあるでかい看板には載ってますが)、営業時間は・・・等々、さっぱりわからん。
そうそう、近所の演芸場とふくろうの湯の両方を行くと何百円か割引になるという話を聞きましたがその詳細は?
このご時世、そんな情報が正式に流れていない時点でどうかと思いますよ。

たくさん報道もあったからプレオープンしたのはわかってますよね、ひとまず来てください。場所ならわかるでしょ?ってな調子なのでしょうか。

ちなみに、フォルテのとあるチラシには交通手段に「バス」の文字はなく、駐車場マップだけあったそうです(そこに上記のタワーパーキングがあったかどうかは不明)。バスで来なくていい、ということでしょうか。目の前に1時間に12往復も通るバス停あるのに、クルマで来い、なんてね。

招待客対象の内覧会に行った人の話によると、メイン客層はおいらのような安月給な市民ではなく、おおむね年収500万円(700万円だったかな?)オーバーをターゲットにしているのだそうです。
で、Webで情報発信していないということは、Webを頻繁に見るような層ははじめから相手にしていないということですよ。年配の方が中心でしょうか。
・・・だとすると、余計にクルマ以外の交通手段の情報を載せないといけないんじゃない?和歌山市の100円バスカードで来てもらわないといけないんだから。あ、そっか、中流階級以上対象だから駅からタクシーで来るのか。いや、年金生活の方で年収500とか700万円以上の方ってさほど多くないような・・・?

で、和歌山市以外の住民には何のチラシも情報も与えられていない。和歌山市内からの客だけで活性化できると思っているのかいな?ほかから人を呼んでなんぼでしょ。あそこに店を構えるのなら。

それとも、積極的な情報公開は今春予定のグランドオープンまでお預け?
だとしたらわかりますよ、まだ上層階になにが入るのか正式に決定していないんでしょうから。
でもその間に口コミやネットで様々な「個人的見解」が流されていくわけです。
このブログのエントリーだって個人的な見解なんですし。

今のままだとコケてもともと、と思われても仕方ないと思いますよ。
そして、興味は多少あるけど足を向けるまではそそられていないおいらのようなお客さん(たぶん行っても高くて買えないけど賑わいにはなる)をたくさん逃がしますよ・・・。

# なお市街地外縁部の安売りをメインにする食料品店などとの差別化を図るという姿勢にはまったく異論はありません。
# なんかちぐはぐな宣伝戦略に違和感を感じるわけで・・・(宣伝を敢えて控えめにしてる日産GT-Rじゃないんだから)

2007年12月22日

●こどもの寺「童楽寺」

かつらぎ町の新城に「童楽寺」というお寺があります。新城はR370に沿った地区なので、かつらぎ町というよりは紀美野町からの高野筋沿い、といったところでしょうか。

今年の夏にできたばかりの新しいお寺で、一応、真言宗なのですが、別に宗派は問わず「こどものためのお寺」であることが大きな特徴。
もともと新城地区は山村留学を積極的に受け入れる活動をしていたのですが、その流れを受けてか受けずか、童楽寺は和歌山県の里親制度登録も受けて、1泊2日程度の「プチ修行」から中長期のホームステイまで子どもの受け入れを積極的におこなっています(もちろん半日・一日のイベントも多数やってます)。

住職はおいらと同い年で、ほかの方もボランティアを含めて30代がほとんどだそうです。
3年半ほど前に知り合って、去年うちの仕事場で偶然再会して、知らない間にこうしてお寺を開くまでになったと聞いてちょっとびっくりしております(^^;

とはいえ、こういうアプローチで現代の子どもの育ちを考える取り組みっていうのもなるほど、おもしろいものです。自然に囲まれたロケーションは文句なし。うちは浄土真宗だからとかそういうのは抜きにして(笑)、童楽寺が謳う「一休さん体験」よろしく、子どもであっても楽しみながら育っていける環境が都会じゃないところにもどんどんできていくのは意義深いものです。

安産祈願的なこともやってくれるらしいのでお世話になるときが来たら(ぉぃ)、いやその前にでも、一度訪れたいと思うております。

# ちなみに、ここの住職さんとスタッフのみなさん、鉄分が割と豊富ですよ( ̄ー ̄)

2007年11月13日

●実はわか電ピンチらしい件

このエントリは伝聞に基づく推測なので、それをお含み置きいただきたい。
また、本件についてわかやま電鉄さんへの問い合わせ行為などはしないでいただきたい。
ということを前提にご覧いただきたい。

続きを読む "実はわか電ピンチらしい件"

2007年9月13日

●この国の将来を案じるも案じないも

昨日、某所に書いた文章を転載します。

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この国の将来を案じるも案じないも人それぞれなんだけど。
この国よりも自分の将来の方が心配な人が圧倒的なんだろうけど。
ホントは自分の問題を社会の問題の一部と位置づけるべきなのはわかってるんだけど。

驚きはしたけれども、だから何が変わるって実感がしない。期待もしない。
ただいえるのは、この国の将来に対する不安の度合いは確かに少し上がったということ。

そんなことを考えた昼下がり。

お決まりのように「誰が総理大臣になっても暮らしがよくなるとは思えへんよね」といううちの母親みたいな人、私も含めてたくさんいるんじゃないでしょうか。

それと、「誰が議員になっても暮らしが(以下略)」って感じてる人もたくさんいるんですよね。
それだけ日頃の政治が遠くの世界のことになっちゃってる。

それでいて、やれ消費税だ介護保険だ、税金の無駄遣いだって生活に直結する話題になると急に国民が敏感になる。そんなときに支持率は下がり、内閣が退陣に追い込まれて政局が混乱することも多々あったわけだけど「そんな政治家を選んだのは国民なんでしょ?」っていう意見を突きつけられたときに国民はなんと答えられるか。

と考えると国民も勝手なものです。

県も、市区町村もしかり。
みんなわけわからんのですよ。政治家は庶民のことがわからないし、庶民は政治のことがわからない。

おたがいが高い壁に対峙しているようなものです。

政治家も決して日本を悪くしようとしているわけではないはず。結果がそうじゃないだけかもしれない。
特に障害者問題などは趣旨はわからないでもない。ただ、制度改革が性急すぎて現場がまったく追いついていけない。いや、現場よりも、国と現場の間に入るべき都道府県や市区町村の体制や施策がまず追いついてないから現場が追いつきようがない。そこのケアをしないで次々に改革をしようとするからひずみが大きくなる。そういう事例はたぶんたくさんあるはず。

そうそう、あれだけ土木工事の談合でたたかれた県でさえ、土木部局の持っている資金は、そのほかの部局と桁がまったく違うそうで、いくら官民協働で「適正コストで高いパフォーマンスを」なんて言っても現場はまずその感覚がない。

# 去年、某地域振興局職員研修の講師を2日にわけてやってきましたが、効果あったのか?(笑)

行政に対する住民のクレームまがいの申し立ても後を引かないみたい。おまえらワシらの税金でメシ食ってるんやろ、ってな調子で。

住民も勝手なものです。

結局、みんなが原点に立ち返る必要があるんですよね。

議員は住民の代弁者であることを再確認する。選挙の時の選挙民に対するあのへりくだりようはなんなんだ。
行政マンは本来住民が相互扶助すべき公共サービスを代わりにやっている意識をもって住民視線に。
住民は行政批判ばっかりせずに、自分の課題と地域の課題をともに考える。

それが実現できないうちは、なにも地域は変わりやしない。

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感情の赴くままに書き殴った文章ですが、自戒もこめてこちらにも書いておきます。

2007年4月 8日

●統一痴呆選挙

 和歌山市内に買い物に出かけたのですが、その帰り、ある小学校の前に掲示されているズラッと並んだ県議選立候補者のポスターを眺めている老夫婦を見かけました。

 信号待ちの間、少し様子を眺めていたのですが、いろんな人のポスターを指さしてはああでもないこうでもないと話し合っている様子。

 特定の政党に関わっている人ならともかく、こんな議員選挙に投票する人の判断基準ってどうなんでしょうかね。街宣車で「●●、●●です!」って連呼するのは誰もが同じ。議会議員候補ではこれという政権公約的なものの差もさほどありません。判断基準がないなかで誰を選択するのでしょうか。「仕方なく地元の人」「なんとなく知ってる人」的な選択が多いのが実情ではないかなと思います。

 それに和歌山の場合、官製談合事件に議会のチェック機能が果たせなかったうえに、条例いっぱいの議員定数を全国唯一維持しちゃっている、そのうえ半分の選挙区で無投票当選ということは議員の保身といわれても仕方ありません。
 議員提案条例も、使い道がきちんと決められないまま某党の力で強引に決まっちゃった「森づくり税」1つのみのはず(担当の県の部局はいま一生懸命に使い道の開拓をしている現状、はっきり言って尻ぬぐいに近いです)。この議員提案条例の数も全国最低クラス。議員に政策提案能力がないといっても同然。
 そんな議会に県民が期待するでしょうか。いま開票速報番組でも出ていましたが、議会に対する魅力が損なわれているのではないか、という指摘はごもっともだと思います。

 もう和歌山市以外の県議はほとんど決まっています。県都の議員がどうなるか、注目したいです。

 そして、再来週の市町村議会議員選挙、特に和歌山市は「あの人」がどう出るか、気になるところです(笑)。

2007年3月10日

●地方分権とはいうものの

先日県内の小さな自治体幹部の方とお話しする機会がありました。

地方自治法が改正になり、公の施設の管理を、自治体直営で行うか、民間活力を導入する「指定管理者制度」で行うかを選択するリミットが過ぎてもうすぐ半年。
その自治体ではほとんどの施設は当面自治体直営で続け、いずれ指定管理者制度に移行したいという意向のようです。担当の方もいろいろな事例を探されるなかでこの自治体の方針、あり方にそぐうやり方はないか、模索を続けてらっしゃるようです。

指定管理者は、一見、民間活力の導入により、行政ではできない効果の高い事業が展開できることが期待されていますが、事実を見ると如何にコストを下げて効果の高い事業が展開できるか、に焦点が向けられているケースが少なくありません。
もちろん、行政がかけるコストは適正に見直させるべきではありますが、それが行き過ぎて「安かろう悪かろう」になっては困るのはその施設を利用する住民なわけで、結果として公的サービスの低下につながります。これでは本来の制度の意義が失われてしまいます。

その天秤のかけ方、行政が確保すべき上限コストの算出根拠、等々、自治体にとっては頭を悩ませる事ばかりです。何も考えずに、法律が変わったからと性急に事を進めると「安かろう悪かろう」に陥りやすい傾向にあるようです。

個人的には、ソフト面での専門性が要求される施設にはそれなりの専門性を担保する意味からもそれなりの人件費の積算があっていい、ハード面、特に施設管理の専門性が要求される施設の場合はある程度は人件費を下げた積算があっていい、と考えています。
担当の方にも個人的意見としてこのようなことを申し上げたのですが、予算は議会での議決を伴う問題でもあり、やはり難しいものです。

しかし、地方分権、地方でできることは地方で、とはいいながら、法律を改正して「外堀」を埋めながら、現場がそれに追いつけていない実情はあるようです(今回お話をした自治体ではありませんよ、念のため)。夕張ではありませんが、そういう行政に誰がした、という話なのか、それ以前の問題なのか、それはわたしにはわかりませんが・・・。

2007年1月23日

●切り捨てられる地方

とある山あいの集落の方に招かれて訪れてきました。

その町は、谷に沿って集落が点在していまして、集落ごとに小学校がある感じ。
ですから、過疎化が進んだ今では、小学校の児童数が激減して、すでに休校になったところ、あるいは遠くない将来に休校になる見込みのところ、といった話になっているようです。

確かに、今回お伺いしたところも、国道から分岐する県道を入っていくのですが、なにせ山あいを縫うように通っていますので、あちこちでクルマ1台分、ガードレールはなく「路肩注意」のポールが立っているだけ、というような狭い箇所を通り抜けていくわけです。でもその先には確かに民家が数十軒立っていまして、生活の営みはなされています。しかしその集落でいちばん小さい子どもはすでに小学生。その小学生が卒業したら小学校は休校になってしまうそうです。

小学校は小さな集落にとっては様々な拠点になりうるシンボリックな場所です。その場所の灯を消してはならない。でもこのご時世ですので、行政に頼ってばかりではいられない、なんとかしなければ、という危機感を持った住民の方が、その地元のいろんな資源をつかって何かできないか、模索を始められました。そういった方に向けて、話をしてほしい、というのが招かれた趣旨でして、一通りお話しをさせていただきました。

今後その集落の方がどのような方向性を出されるのかは今後の議論の行方を見守るしかないのですが、行政のスリム化、「市民主体」のまちづくり、といった世間の潮流は、小さな山村の集落にとってはとにかく厳しいモノがある。

地元の方とお話しするなかでそう実感せざるを得ませんでした。いろいろ考えさせられました。

2006年12月28日

●メディアと世論

 今年の初め、パネラーとして招かれた小さなパネルディスカッションでお会いした、メディア学が専門の大学の先生とお話ししていたら「和歌山ほど小さな新聞が生き残っている県は珍しいんですよ」と。

 確かに、日刊紙で挙げても、和歌山市周辺はわかやま新報、御坊は日高新報、紀州新聞、田辺は紀伊民報、新宮は南紀州新聞と紀南新聞・・・ってな感じです。例えば紀南に行けば、紀伊民報は取っていても四大紙は取っていないという家も珍しくないとか。
 あとミニコミ紙も多いのも和歌山の特長ですね。ニュース和歌山は無料のタブロイド判ミニコミ紙としては全国屈指のレベルらしいですし、海南周辺では一時期5種類ほどミニコミ紙が乱立した時期もありました。

 こんな感じで挙げていくと、和歌山には40~50の新聞があるとされているそうです(毎日新聞12月28日社会面より)。木村前知事の逮捕容疑となった案件でも、不利な記事を書こうとした新聞への工作費が取り上げられていましたが、いわゆるゴロツキ紙的な新聞もあるみたいです。

 で、よく考えてみると、和歌山にはそりゃたくさんの新聞がある。でも県域をカバーしている新聞がないんですよね。ほかの県には大抵あるんですけど。独立U局としては日本一少ないカバー人口を抱えているテレビ和歌山、奈良にはないAMラジオ局として和歌山放送はありますが、県域新がない。
 要は、一部を除く大多数の県民の情報源は四大紙の和歌山版とミニコミ紙しかないわけなんですよね。和歌山に対する論評が繰り広げられる新聞媒体がない。これって県民世論の形成には少なからずマイナスの作用を及ぼしていると思うのです。

 四大紙の記者とは何人も知り合いましたが、ほとんどが転勤ですでに和歌山にいません。和歌山にじっくり腰を落ち着けて、継続的に和歌山の動きを書き続ける新聞記者が和歌山市にはいない。そりゃ何が起こっているのか県民には深いところはわかりようがありません。

 もう何年も前ですが、仙台の河北新報から電話取材を受けたことがあります。その内容は記者コラムに取り上げられまして、「掲載させて頂きました」とご丁寧に紙面を送ってくれました。拝見しますと、もちろん全国的な動きは共同通信配信の記事がメインですが、東北のご当地記事も豊富。記者コラムも仙台でのとある活動の分析記事でして、例えば和歌山ではこういうことをやっているよ、とわたしが取材でお答えした内容が要約して記載されているのです。ご当地の活動の分析をするのに、全国のほかの事例を調べて、ご当地に合った提案をする。まさに県域紙の立場です。

 こういう新聞が和歌山にあれば、県民世論は変わりうる、と思うのは私の思いこみでしょうか。

2006年12月15日

●びっくり。

あさっては和歌山県知事選挙ですが、その前にえらい統計がうちの仕事場に届きました。

去年の国勢調査による和歌山県の総人口速報値は103万人余りだったのですが、今年10月1日現在の住民基本台帳による速報値で総人口が102万人台に減ったとのこと。1年で7000人以上のマイナス。おおざっぱに4割が自然要因による減少(死亡数-出生数)、6割が社会的要因による減少(転出-転入)だそうです。

この調子でいけば、2010年には和歌山県の人口が100万人を割り込むことになります。
20年前、小学校では和歌山県の人口はおおよそ110万人と習いました。25年で1割減る計算です。

古くは和歌山は全国でも有数の都市だったとも言われていますが、その面影は完全に消え去って廃れゆくいっぽう・・・。

あまり争点がないとも言われる選挙で、少しでもポジティブかつ現実的な公約を掲げている候補者・・・といっても選択肢がなさすぎてなんともはや、な気もいたしますが、投票しないとどうにもこうにもならないので、直前まで悩んでみましょうか。

2006年10月13日

●素早い・・・

木村知事の責任問題に発展しつつある和歌山談合事件。
何度かお会いした事がありますが、すごく気さくで典型的な関西人やなぁと思ったモノでありました。
地方分権等、地方のあり方についての持論もしっかり持ってはるので、期待もしていたのですが、場合によっては辞任不可避、という事態になってきました。

16日に県議会で木村知事自身への質疑が行われるみたいですが、すでに「木村体制後」の候補者選定が水面下で行われている模様。ある政党ではすでに候補者が概ね決まりつつあるという情報が入ってきました(それにともなう議員の「玉突き」案も含めて…)。おそらくそういう情報も木村知事のもとには届き始めているでしょうから、今頃は非常に微妙なお立場ではないかと察するのです。

個人的にはなんとも言葉に出来ない微妙な心境です。
和歌山で選挙、といえばあの方も黙ってはいないだろう、という憶測もありますし・・・。

2006年9月 3日

●富山ライトレール(2)

次に岩瀬浜駅の様子を。
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全景。港らしく、船をイメージした外観。

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案内サイン全景。洗練されたイメージ。

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駅名標。

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路線案内。

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周辺案内。ライトレール整備と同時に周辺の観光案内がとても充実した印象。

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時刻表・運賃表。期間限定で平日日中と土休日は運賃が所定の半額!

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裏側には付近の有名なものや祭りといった地元にちなんだ看板。

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この看板などは地元企業の協賛がほとんど。

専用軌道を走る際はなかなか軽快。
軌道区間にはいるとやはり限界はあるのですが、駅のデザインも全駅統一されており、なかなか洗練された都市型LRTといった印象。東京に本拠を置くGKだけではなく、地元のデザイナーも参画しており、地元の風物詩などの看板はおそらくその方が中心になってデザインされたものと思います。また地元の学生がデザインしたマスコット「とれねこ」もキャラクターとして定着。
都市計画や工業デザインという面でもこういったコラボレーションはおもしろく写るんじゃないかなと思われました。事実、訪れた当日も視察とおぼしき団体が見受けられました。

●富山ライトレール(1)

その後は富山ライトレールで岩瀬浜まで往復。
JR富山港線時代に475系3連で空気輸送の列車に乗った経験があるのですが、何かと雲泥の差でした。

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岩瀬浜にて。車両のデザイン自体は万葉線アイトラム、岡電momoと変わらないのですが、色遣いの妙でしょうか、雰囲気が違いますね。

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出入り口に編成ごとに決められた色をパターン塗り分け。7編成あるので、7色あり、第6編成はライトブルー。

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SINCE~という表現だけ見ると九州っぽい気もしないでもないです。

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出入り口はノンステップです。

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デザイン主担当のGKの文字がさりげなく。

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ICカードリーダーつきの運賃箱。ライトパープルの色遣いも珍しいですね。

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1.5人掛けシート。

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反対側は2人掛けシート。

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後ろの車両から前を見通す。降車ボタンは黄色に配されてわかりやすいです。

2006年7月22日

●和歌山市長選挙

「あの」人も出るということでマスコミの注目度が一気に高くなった(汗)、和歌山市長選挙、23日告示でしたっけ。

6人出馬の意向のようですが、そのうち2人の方の政策を見る機会がありました。不公平があってもなんですので、匿名で。

Aさんは、最近の時流を捉えた感じなのですが、思い切りに欠けるというのが第一印象。間違ったことは言うてないとは思いますが、熱意や決意がいまいち伝わってきません。

Bさんは、言いたいことは分かります。高く評価できる点もあります。が、よーく中身を見てみると、信じられないような間違いや現状認識の決定的な不足が垣間見えます。これに気づいた有権者にとっては大きなマイナス要因に写るでしょう。

残りの4人の政策は拝見する機会がまだないので(和歌山市民じゃないですし)、現状では何も言えませんが、わたしが和歌山市民なら少なくとも上の2人には入れたくはないなぁ、というのが正直なところ。
これという争点に乏しい選挙ですので、和歌山市民の方がいらっしゃいましたら、ぜひ、パッとわかりやすい政策だけではなく、細かいところまでじっくりみていただいて審判をくだしてほしい、と切に願います。

2006年7月10日

●夢を語る男と夢を忘れた男と。

MTの不具合を解消するパッチがまだ公開されていません(^^;
一応、MTのタグをいじれば、パッチを適用せずともうちで起こっている不具合が解消できるのですが、なんせややこしくて・・・。MTを使いこなすにはまだまだ根本的な知識が足らないようです(汗)


さて、今日はお昼から紀の川市内某所でちょっとしたお話しをしてきました。

合併や国の制度改革のなかでいろんな施策が大揺れに揺れ、わたしもその騒動にちょこっと巻き込まれたりもしましたが(汗)、6月議会で補正予算が可決され、ひとまず落ち着くところに落ち着きつつあります。今後は合併によって顕在化している旧5町の施策とのひずみをどうやって埋めるかが焦点になっていくのでしょう。

これまでの旧5町の施策と取り組みの経過を中心に、30分くらい話をしてほしい、とのご依頼でしたが、そういうことを念頭に置きながら1週間ほど前から話す内容を考えていました。

特に合併によって生まれた自治体の場合、先に書きましたように旧の自治体の元で行われてきた各種事業が急に一本化されますので、施策がよくなる地域と後退する地域とがどうしても発生してしまいます。とかく、施策がよくなるように住民は要望を出しがちなのはある意味仕方ないのですが、もともと財政が厳しいから合併して行政システムをスリム化する、というのが自治体合併の大きな根本の一つです。ですから、住民が「いい方の施策に合わせてほしい」という要望ばかりしたって容易に叶うものではありません。

広く地域の理解を得て、自治体がこれなら予算を出せる、と判断できる材料が揃って、はじめて施策がよくなる、という認識でいないといけないし、そのためには住民側が政策提言能力的なものを身につけないといけないでしょう。文句や要望ばかり言うててもはじまりません。

また、旧自治体の施策の成り立ちを追わずに「うちはここまでしか出来ていなかったのにあそこは・・・」という旧自治体間格差の議論に終始しても意味はありません。旧自治体はそこならではの考え方で施策を展開してきたわけですから、広い視点で施策を振り返り、新しい自治体になってからの方向性を考えないと、内輪だけの議論に終わってしまい、結果として新自治体全体の利益につながるような施策は打ち出せないでしょう。

というようなことを考えながら、施策の経過よりも今後の考え方を提案する、という方向性でレジュメを切って臨んだのですが、時間の関係でわたしの持ち時間が10分短縮(苦笑)。話す内容の一部は先に別の方が話してくれましたし、レジュメにも記載していたので読んでもらえればわかるようにはしておきましたが、なんだか中途半端に終わってしまいました・・・。

でも、最後には、紀の川市が将来こうなってほしい、という長期的な「夢」を持っていただければ、という事は述べさせてもらいました。今すぐには無理かも知れないけど、その端緒はいま作ることができる。

なんてことを駆け足で話し、その他のプログラムが終わってみなさん帰途に就かれましたが、その後自分が帰途に就く段になって、そんなことを話しておきながら、果たして自分が求めていたのは何だったのか?将来こういうことしたい、という漠然としたものはもっていながら、ここ最近多忙にかまけてその具体化の作業がおろそかになってるなぁ…なんて思う。


帰りに久々に那賀営業所に立ち寄ってバスカード購入。未だに本社塗装のいすゞの1350号車が残っているのか(^^;;

そういえば、那賀バスが引き続き運行受託をするであろう、岩出市巡回バスの新車のデザインの公募がはじまっている。今回、市は宝くじの助成金を購入費用に充てるとのことが市の広報で明らかになっている。紀ノ川界隈ではかつらぎ町に続く事例か。

紀の川市議会では、旧粉河・那賀地域へのコミュニティバス新設の請願が採択されている。こちらもおそらく具体化に向けた作業が始まっていることでしょう。ほかの旧3町はすでに路線があったもの。この請願は市長公約にも交通体系の整備という項目があったはずで、貴志川線への補助金支出事例もあることから、すんなり決まったのでは。交通インフラのように目に見えてやってる・やってないがわかりやすく写る施策はこういう時はトクかもしれないですね。


今宵は久々にコランチルとベリチームの世話に。
昨年激やせしてから、殊に体力が落ちたなぁと感じる。体力を消耗する夏本番はまだなのに。

2006年6月10日

●和歌山市のなんとやら。

昨日訪れていた病院の待合いで偶然見たテレビニュースで、和歌山市が市内に新築住宅を建設するまたはマンションを購入する若年層の家族に30万円分の商品券を配布する事業を行うと。
おいらは和歌山市民じゃないので関係ないのですが、どんなのか気になって和歌山市のWebページを調べてみると、トップページには見あたらず。もう少し探してみると、市報に掲載されているのを見つけました。

> 豊かな自然と歴史・文化、中核市としての都市機能を備えた
> 和歌山市に、住宅を新築または購入しませんか?

・・・って市内居住者に向けてPRしてどないすんねんと(笑)。一応Webで日本中からみられることには間違いないけど。

で、「中核市としての都市機能」・・・。
うーん、自然がきれいで歴史もある街で、泉南のイオンに1時間で行けるのも立派な都市機能かな?(ぉぃ

でもね、ロクな数値目標すら記載されていない「次世代育成支援行動計画」(PDF形式6.16MB)を策定するような自治体に若年層の家庭が移り住んでも・・・という気がしないでもありません。数値目標もみると呆れるようなものが多くて、噂には聞いていましたが、正直愕然としました。
それでなくても、紀ノ川筋の各自治体は、大阪方面からの転入者が増加したにもかかわらず児童福祉施策のお粗末さにまた大阪に帰られるという失態を経験しているというのに。

# ちなみに、次世代育成支援行動計画はすべての地方公共団体が策定することを義務づけられていたものです。
# 直接の担当の方はすごくがんばっておられたのはいろんな方からうかがっています。問題は・・・。

2006年5月22日

●和歌山地震考。

今宵も職場で、そして帰宅してから地震を感じました。
毎日のように地震に揺られている和歌山ですが、防災科学技術研究所のデータを元にもう少しみてみましょうか。

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ここ1週間の和歌山県北部周辺の地震活動です。マグニチュード1なんていうごく小さな地震も記録されています。
丸が大きいほどマグニチュードが大きいこと、色によって震源の深さを示しています。

特に震源が集中している3カ所のうち、1が今月15日の震度4の地震の震源地周辺、2が今月20日の震度3の地震の震源地周辺、3が今夜の地震の震源地周辺となります。

このようにみますと、先日来の地震は特定の場所ばかりで起きているのではなく、和歌山市周辺の3カ所に分散して集中して起きていることがわかります。しかも震源はどれもごく浅く、縦揺れが少なく一気に揺れが来ること、小さなマグニチュードでも有感地震になりやすいことがうかがえます。

もともと和歌山市周辺は、防災科学技術研究所でも特設のページが設けられているくらい、全国的に見ても地震が多い地域です。とはいえ、震度4なんていう地震が起きたことから、和歌山地方気象台も地震に対する見解を18日に発表しています。内容を要約すると和歌山市近辺ではこれくらいの地震は珍しくないし、南海地震や中央構造線の断層帯とは関係ないですよ、という内容です。

しかし20日の震度3の地震の震源が紀伊水道(といっても雑賀崎の目と鼻の先ですが)ということで、震度4の地震とは直接関係はないだろうとは思っていたものの、今晩になって紀の川市付近を震源とする地震が頻発するようになって、最初の地震が和歌山市近辺の地震活動を活性化させる引き金になったのかも?と素人目に考えてしまいたくもなります。

もっとも、エネルギーを小出しにしてくれていたら大きな地震を生み出すエネルギーはなくなってくれるかな?と考えると、そのほうがありがたいのですが・・・。

2006年2月14日

●ミッションとパッションとセッションの狭間で

先々週から少し体調が思わしくないからでしょうか、クスリの副作用が最近きついように感じます。
明日以降、半月で出張が7回あるなかで、さてカラダ持つかな、とマジで心配になってきました。。。
予定入れた当初は行けると思ってたんですが・・・。ホントはいけないのですがクスリ止めて様子を見るかな。


さて、今夜のエントリーは、たぶん市町村合併が盛んな全国各地で起きている問題の一端だと思うのですが。

わたくし本職以外にいくつか関わりのある組織があるのですが、そのうちのひとつが、自治体合併に伴う行政施策の大転換のなかで非常に揺れているのです。

自治体側は、合併に際してその分野では県内自治体ではおそらく2番目となる条例を制定し、その条例の運営方法をすごく柔軟に考えてくれているんですね。それまで各自治体で持っていた制度を一本化するわけで、しかも合併に伴うその他膨大な庶務を片づけながらの作業ですから、その手間と苦労は想像に難くありません。また、昨今の地方分権や「官から民へ」という地方自治の流れも一定は理解していただいているものと考えています。もちろん、ただの行政の責任放棄ちゃうの、という意見もあって、そこは今後仕様書を作成する段階で議論することになると思います。

が、その制度を運営する側は、運営目的は同じなのですが、合併前の各自治体で成り立ちも違えば運営形態も異なっていたわけで、ミッション(目的)は同じでもパッション(熱意)には各自治体間で大きな開きがあります。先日来、合併による行政施策の一本化に伴って生じる各種実務などについて情報収集をしたり、情報交換を行ったりするセッション(会合)を開いているのですが、想いが強くて意見をバンバン言えるところとそうでないところとの温度差がありすぎて、一部から大きな反発を招く事態となってしまったのです。

それをコーディネートする立場にいるはずのおいらですが、その組織につきっきりでいるわけではないために状況もうまくつかめず、ついつい本業の考え方からドライな考え方をしてしまって、余計にこじらせてしまった部分もあるようで・・・。

方法論としては、どの意見もわかるのです。「想いが強いところ」の意見は、「最初にルールを明文化しよう」というわけで、行政の施策を実施する上では必要不可欠なことなのです。しかし、これまで担当課との折衝に当たってこられた方は、行政の状況も重々承知されており、新体制で事業を運営するなかで最初から運営方法をコンクリートするのではなく、「走りながら一緒に問題点を洗い出して改善していこう」というご意見。

ドライな見方をすれば、前者が当たり前なのです。本来論でいえば、仕様書のなかで必要な事項をきちんと謳い、きっちりとした事業を運営していくのが当然の責務です。それは本職の経験からも確かです。
しかし、これまで各自治体で運営形態が別だったモノを一気に一本化すること自体に無理があるのも事実で、その意味では後者の意見もごもっともで、互いの合意でゆるやかに事業を進めていくのも方法論としてはあり、なのです。

この問題のそもそもの発端も、「議会を通らないと正式に公にできない」という本来論と、「原案はあったんだから、議会でどうなるかは別としても先に見せてほしかった(=そうすれば少しでも早く議論できたのに)」という方法論のぶつかり合いなんですよね。今は本来論者と方法論者が入れ替わっているのでさらにややこしいのです(^^;;;

ミッションは同じ。でもパッションにすごい差がある。ということはセッションを開くたびに溝は広がるだけ。

週末、東京出張の間、このことを忘れていたのですが、今夜一気にまたその愚痴(というか怒りというか妬みというか)が噴出してきて、難儀しているところです。一度こじれた関係はなかなか修復できませんから・・・。

もう少し早めに気づいて手を打っておけばよかったのですが、わたしはわたしで別件で追われてまして・・・って言い訳がましいことを言っても今となっては仕方なく、かといって時だけが解決するわけでもなく、うまく丸め込める案を考えるしかないんですよね。どうなることやら。

2006年1月29日

●当事者と、受益者と。

最近なにかと板挟み的。

双方の主張がわかるだけに、余計になにもできない自分の無力さを悔いる。

2006年1月17日

●埋没していく意識と記憶

テンプレの再構築は後回しにして今日はこのことを書かないわけにはいきません。


これまでに体験したことのない揺れで目が覚めた11年前の今日。

一旦消えた神戸震度6の表示が再びついたあの瞬間。
コンビニの様子が映し出され、7時を回る頃には各地の状況が徐々に。
「火の手、煙が見えます」
「視聴者からの連絡によりますと阪神高速道路の高架が落下」

・・・などという情報を見つつ、不安を抱えたまま、高校へ。
和歌山では貴志川線以外の鉄道は全線運休。貴志川線に乗って和歌山駅に着くといつもなら満員電車からはき出される大量の通勤客の姿はなく、広い構内はもぬけの殻のよう。

センター試験が終わった後で授業は軽めだったはずです。
体育の時間に体育の教官室に準備に行った際に映し出されていたテレビが空撮で伝えている阪神高速の倒壊。帰宅する際に和歌山駅で求めた夕刊が伝える死者数百人の文字。

三宮駅近所のアーケード街の中華料理店から出火の一報。もしや、前年の遠足の際に昼食を食べに訪れた店やないかと不安に。ラジオもテレビも震災報道一色。時間を追うごとに増える犠牲者の数にやるせない気持ちにさせられ、テレビを見るのをやめました。

・・・それだけは克明に覚えています。
むしろ、センター試験とこの震災以外、この頃の記憶はすっとんでいます。

知人の日記での記載がなければ、テレビでの特集がなければ、証人喚問やの証取法違反やの最高裁判決やのの大きなニュースに埋もれて今日がその日だったことを忘れていたかもしれません。
和歌山も他人事ではありません。当時のことは強烈に印象に残っているんです。なのに。


今日、神戸から1件仕事の依頼がありました。仕事自体は震災とはまったく関係ないものですが、その仕事が生み出されるまでの経過を辿れば、その震災に行き着きます。
そんな仕事を今日依頼されたのも何かの縁かもしれません。神戸に行く前日も南紀へ1日出張なのですが、お受けすることにしました。


和歌山にいる自分が何をできるのか。
仕事の立場上、もしもの時はなんらかの形で動かないといけないポジションにいますので、いつかは考えないといけません。それもわかっているのに・・・もどかしさを感じます。

せめて、意識と記憶を埋没させないように、どこかに留めておく必要はあるのでしょう。


<防災研究教育プロジェクト>
 南海・東南海・東海地震が同時発生した際の津波のシミュレーションが2Dと3Dの動画で見ることができます。
 http://bousai.joi.wakayama-u.ac.jp/archives/tsunami_cg.htm
ファイル容量が非常に大きく、日中でも回線が重たいので、ダウンロードは根気よく試みてください。

2005年12月13日

●怪文書騒動その後

紀の川市長選挙を巡る怪文書騒動。地元では告訴も辞さないという強硬論も出ているとか。

で、その「怪文書」。わたしは実物を見たわけではないのですが、複数の住民の話。

「何種類かあったけど、すべて手書きで、筆跡は同じだった」
「片方だけかと思ってたらもう片方を中傷するビラもあったよ」

・・・まぁ、このへんはどこでもある話だと思うのですが、

「『ざ』行と『だ』行がこんがらがってたよ」

・・・ってのがいちばん笑えました(^^;;
話し言葉はともかく、書き言葉で、ざ行とだ行がこんがらがるのは概ね60歳代以上の世代。

昨夜の特番で某陣営の幹部は「相手陣営と思われる怪文書もありました」発言していましたが、少なくともざ行とだ行の区別の付かないような怪文書を陣営がばらまくことは考えづらく、陣営とは直接関係ない人の仕業という説が有力になりつつあるようです。だとすればありがた迷惑な話ですね・・・。

2005年12月11日

●確定

23時過ぎ、確定、3000票差で中村氏当選。
結果分析はマスコミに任せるとしても、両者とも20000票越えになるとは。

わたしは紀の川市民ではありませんが、いろいろな仕事のなかで紀の川市との関わりは大きいわけで。
かといって、どちらが市長になってもわたしがやることは変わりませんのでどちらに肩入れしていたとかいうわけではありませんが、ローカルマニフェスト推進ネットにも関わっている関係で、非常に関心を持ってみていました。

・・・とこういう事を書き込んでいながらナンですが、経歴も年齢も似ていて、数十年来の友人同士がこういう形で激戦を戦って、遺恨が残らないように願いたいところではあります。

さて、このあとは知人が何人かいる市議選のほうですが、こちらは特番内には間に合いそうにないな・・・。

・・・しかし、WTVのCMの入れ方の間の悪いこと。台本のない中継メインの番組ですので仕方ないんですけどね。

●開票速報はじまる

おお、テレビ和歌山、テレビ電話中継とは。FOMAかな?
昨年の冷水浦でのJR脱線事故の際の空撮に続き、ちょっとすげーと思ってしまいました(^^;
そういえば昨日見かけた取材クルーの持っていたハンディカメラもハイビジョン対応だったような・・・。

20%ちょいの開票率で両候補5000票。

●さぁ、開票

注目の紀の川市長選挙の開票スタート。
大激戦の市長選を制するのはどちらか?
市議にも知人が何人かいますので、その当落も気になるところです。
結果やいかに。

2005年11月25日

●そういえば

今月頭の松江での会議で出会った方から、おもしろい話を聞かせてくれました。

バスの製造事業者の営業マンの話なのですが、担当している工場や営業所に路線バスで出向くと不思議がられるんだそうです。「なんでわざわざ時間のかかるバスで来るの?」って(苦笑)。シフト制などで路線バスの利用が難しい従業員なら別としても、路線バスで通勤できるならバスで通勤しようよって思うんだけど…と。
その営業マンの方はもともと旅行好きだそうで、バスで出向くのもまったく苦にならないし、バスを作っている会社なんだからそれくらいはね、っていうことで時間がかかろうが、遠回りになろうが、できる限りバスで行くことにこだわってらっしゃるそうですが、確かに、と思わされますよね。
その方によると、西日本のある大手バス会社の社長さんは、東京での会議の際にも自社の夜行バスで出向かれるとか。さすがに西日本からだと飛行機か新幹線で行くのが普通なんだろうけどね、って笑ってはりました(^^;;


後日お会いした国土交通省の方にうかがった話では、最近低公害車や燃費のいいクルマがもてはやされていますが、実はそうしたクルマが普及したからといって自動車の排出するCO2の総量は未だ漸増にあるのだそうです。だって、自動車の総量がCO2の排出量の削減量以上に増えているからだ、って。確かに。

って考えると、おいらの場合、和歌山市の中心部の外れで、原付(燃費45km/l)を使って職場だけではなく、スーパーや官公庁にも比較的簡単にアクセスできる場所・・・島崎町あたりおもしろそう。じゃんじゃん横丁も近いし。
いや、原付じゃなく自転車(MTB)だ。健康にもいいし。クルマは必要な時のみ。

・・・理想はこうなんですよね。理想は。

●3次産業に依存する街と都市開発

最近、都市計画に携わる方の間で「コンパクトシティ」という観点が重要視され始めているようです。
広いバイパス道路沿いに大きな駐車場を備えたショッピングモールができて、旧来の市街地が空洞化している、全国何処でも見られる光景になりつつありますが、こうしたまちづくりは、周辺の人口構成のサイクル如何であっけなく脆いものになってしまう危険性をはらんでいる、つまり持続可能な都市にはならない、という指摘です。
比較的狭いエリアに都市機能を集中させる、そうすれば生活や交通の動線が効率的になって、結果、コストのかからない効率的な都市になる、という考え方です。

先週土曜日の毎日新聞でしたか、工場跡地への安易な商業施設の誘致に歯止めをかける動きも出ているという記事が出ていましたが(もちろんスーパー業界からは猛反発喰らっているそうです)、むしろ遅すぎたくらいではないかと思われます。


広いバイパス道路ができて、町が発展する、それはいいことかもしれません。大店法の改正で、大型店舗の出店が容易になり始めた頃から大きな駐車場を備えてクルマでの来店を目論んだロードサイドの大型店ができはじめ、それに伴う町の発展、人口流入も起こりました。しかし、いっときに人口の流入が集中すると、その町の人口構造がある年代だけぽこっと膨らむなどいびつになる危険性をはらんでいるわけです。1970年代頃に開発された東京や大阪近郊のニュータウンの住民が現在一斉に高齢化を迎えて社会問題になっていますが、それと同じ問題が、20年、30年たった頃に全国各地で一気に吹き出す危険性があるわけです。

周辺人口が高齢化すると、クルマを運転できる人が減りますから、そういったロードサイドの大型店へなんかは出向けなくなりますよね。チェーン店などは地元のブーイングを浴びようが採算に合わなければ撤退すればいい話です。すでに、もとからの市街地はガタガタ。残された地域はどうなるの?
そして、そういった街では公共施設も地価の安い郊外に出ているケースも多いですよね。じゃぁ、そのような場所に出向くための交通手段、住民の流動にかけるコストは誰が負担するの?
・・・そういう話になるわけですよ。

そして、もともと公共交通のことなど考えられずに開発されたニュータウンってのも残念ながらあるんですよね。
電鉄系のニュータウンなら、系列のバス会社が路線を持っているケースもありますが、そうでないところでは、同時期に開発された=人口構成もほぼ似ている=高齢化する時期も似る=クルマでの移動が困難になる時期も似る=流動はどうなるの?、そういう事になります。

和歌山でも上記に該当するようなところ、結構ありますよね・・・。10年後、20年後、どうすんだろ。