« 仙台へ | メイン | ちょとショック »

2007年3月10日

●地方分権とはいうものの

先日県内の小さな自治体幹部の方とお話しする機会がありました。

地方自治法が改正になり、公の施設の管理を、自治体直営で行うか、民間活力を導入する「指定管理者制度」で行うかを選択するリミットが過ぎてもうすぐ半年。
その自治体ではほとんどの施設は当面自治体直営で続け、いずれ指定管理者制度に移行したいという意向のようです。担当の方もいろいろな事例を探されるなかでこの自治体の方針、あり方にそぐうやり方はないか、模索を続けてらっしゃるようです。

指定管理者は、一見、民間活力の導入により、行政ではできない効果の高い事業が展開できることが期待されていますが、事実を見ると如何にコストを下げて効果の高い事業が展開できるか、に焦点が向けられているケースが少なくありません。
もちろん、行政がかけるコストは適正に見直させるべきではありますが、それが行き過ぎて「安かろう悪かろう」になっては困るのはその施設を利用する住民なわけで、結果として公的サービスの低下につながります。これでは本来の制度の意義が失われてしまいます。

その天秤のかけ方、行政が確保すべき上限コストの算出根拠、等々、自治体にとっては頭を悩ませる事ばかりです。何も考えずに、法律が変わったからと性急に事を進めると「安かろう悪かろう」に陥りやすい傾向にあるようです。

個人的には、ソフト面での専門性が要求される施設にはそれなりの専門性を担保する意味からもそれなりの人件費の積算があっていい、ハード面、特に施設管理の専門性が要求される施設の場合はある程度は人件費を下げた積算があっていい、と考えています。
担当の方にも個人的意見としてこのようなことを申し上げたのですが、予算は議会での議決を伴う問題でもあり、やはり難しいものです。

しかし、地方分権、地方でできることは地方で、とはいいながら、法律を改正して「外堀」を埋めながら、現場がそれに追いつけていない実情はあるようです(今回お話をした自治体ではありませんよ、念のため)。夕張ではありませんが、そういう行政に誰がした、という話なのか、それ以前の問題なのか、それはわたしにはわかりませんが・・・。