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2005年11月25日

●3次産業に依存する街と都市開発

最近、都市計画に携わる方の間で「コンパクトシティ」という観点が重要視され始めているようです。
広いバイパス道路沿いに大きな駐車場を備えたショッピングモールができて、旧来の市街地が空洞化している、全国何処でも見られる光景になりつつありますが、こうしたまちづくりは、周辺の人口構成のサイクル如何であっけなく脆いものになってしまう危険性をはらんでいる、つまり持続可能な都市にはならない、という指摘です。
比較的狭いエリアに都市機能を集中させる、そうすれば生活や交通の動線が効率的になって、結果、コストのかからない効率的な都市になる、という考え方です。

先週土曜日の毎日新聞でしたか、工場跡地への安易な商業施設の誘致に歯止めをかける動きも出ているという記事が出ていましたが(もちろんスーパー業界からは猛反発喰らっているそうです)、むしろ遅すぎたくらいではないかと思われます。


広いバイパス道路ができて、町が発展する、それはいいことかもしれません。大店法の改正で、大型店舗の出店が容易になり始めた頃から大きな駐車場を備えてクルマでの来店を目論んだロードサイドの大型店ができはじめ、それに伴う町の発展、人口流入も起こりました。しかし、いっときに人口の流入が集中すると、その町の人口構造がある年代だけぽこっと膨らむなどいびつになる危険性をはらんでいるわけです。1970年代頃に開発された東京や大阪近郊のニュータウンの住民が現在一斉に高齢化を迎えて社会問題になっていますが、それと同じ問題が、20年、30年たった頃に全国各地で一気に吹き出す危険性があるわけです。

周辺人口が高齢化すると、クルマを運転できる人が減りますから、そういったロードサイドの大型店へなんかは出向けなくなりますよね。チェーン店などは地元のブーイングを浴びようが採算に合わなければ撤退すればいい話です。すでに、もとからの市街地はガタガタ。残された地域はどうなるの?
そして、そういった街では公共施設も地価の安い郊外に出ているケースも多いですよね。じゃぁ、そのような場所に出向くための交通手段、住民の流動にかけるコストは誰が負担するの?
・・・そういう話になるわけですよ。

そして、もともと公共交通のことなど考えられずに開発されたニュータウンってのも残念ながらあるんですよね。
電鉄系のニュータウンなら、系列のバス会社が路線を持っているケースもありますが、そうでないところでは、同時期に開発された=人口構成もほぼ似ている=高齢化する時期も似る=クルマでの移動が困難になる時期も似る=流動はどうなるの?、そういう事になります。

和歌山でも上記に該当するようなところ、結構ありますよね・・・。10年後、20年後、どうすんだろ。