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2007年4月16日

●嘘はついてない。

先月末は能登半島での地震、昨日は三重北部での地震。地震が相次いでいます。
和歌山で地震といえば、東海・東南海・南海地震が気がかりなところなのですが。

和歌山県北部で大規模に開発が進んでいる某住宅地。京阪神地区でのPRも大々的になされているところです。

ここの資料を見ますと、東海・東南海・南海地震が同時発生した時の予測震度は震度5弱のエリアに位置しており、液状化現象の発生確率もきわめて低い、ということを自治体の防災資料(震度・液状化予測図)を引用して説明しています。

これだけをみると、ああ、比較的安全な立地なんだな、ということを感じさせます。

・・・が、その資料をよく見ますと、震度分布図に「活断層」の文字が書かれていまして、その活断層に関する言及はどこにもありません。

実は、その「活断層」は中央構造線のことでして、同じ自治体の防災資料を見ますと中央構造線を震源とする地震が起きればその住宅街は震度6強の揺れに見舞われるとの予測がでているんです。

明細を記述していないだけで、「活断層」の記述はありますし、東海・東南海・南海地震の同時発生時も震度5弱と予測はされていますが「だから安全」とは一言も書いていませんから、この資料は嘘はついていません。

偶然わたしが中央構造線の存在を知っていて、その自治体の防災資料も見たことがあるから、「あれ?」と思っただけです。もちろん、デベロッパーもそのあたりは把握しているでしょうし、敢えて中央構造線の話は明示していないのだと推測されますが、ちゃんと「活断層」の表記と「安全である」という文字を使っていないので手は打っている。企業の広報なんてそんなものなのかもしれません。

ちなみに、中央構造線の真上に建っている某大学は、本部棟と講義棟の空間がやけに広く開いています。その間に中央構造線が走っているので敢えて2棟を大きく離して建てたらしい、とはその大学の学生が言ってました。それが公表されているのかどうかはわかりませんが・・・。


とはいえ、今時、どこに家を建てても日本である限りは大地震の危険にさらされているのは阪神・淡路、芸予、福岡西方沖、鳥取西部、そして能登と三重北部の地震で証明済みですから・・・。