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2007年6月24日

●結局

規制緩和ってなんだったんだろうね。
健全な競争があって初めて成り立つ性善説に立っていると思うんですよね。

しかし、実際は、
・介護保険事業へ営利組織が参入できたことはよかったものの、コムスン問題に象徴されるように利益優先で本来の制度の趣旨に添っていたか疑問
・タクシー事業者の新規参入規制が緩和され過当競争が起こり運転手を取り巻く環境の劣悪化とそれに伴う初乗り運賃値上げへの動き
・公共交通事業撤退の届け出化にともない、地方から不採算路線が続々撤退、結局行政が主導するコミバスが増加、行政負担の増加に
・バス事業者の参入自由化に伴う過当競争
・派遣社員の派遣可能業種の増加に伴い、非正規雇用社員の増加
・酒類など販売の許認可制度の緩和に伴い、従来からの小売店舗が苦況に
・・・などという問題も出ているのも事実。

もちろん、規制緩和によりこれまでにないいい取り組みが行えるようになった事例もありますが、規制緩和の趣旨が本当に理解されて、活性化につながったかと言われると疑問が残ります。規制緩和をいいように使っている事例もたくさんあるように思いますし、それを十分監視できる体制が整えられているかと言われるとNOと言わざるを得ないと思います。

今月から住民税が値上げになりましたが、その意図も十分周知されていたとは言い難い。いや、仮に周知されたとしても、世の中の物事が複雑になりすぎて、何が何だかさっぱりわからない状況に陥っているのかな、と。

物事の仕組みが変わるときはそのひずみが一気に顕在化することもやむを得ませんが、顕在化したひずみに対処できる能力が今の日本社会、地域社会にあるのかと言われると・・・。