« ちょっと待ってよ、暫定税率 | メイン | ばたばた年度末 »

2008年3月27日

●ちょっと待ってよ、メタボ健診

「机上の空論、メタボ健診 新年度開始、自治体から疑問百出」
http://mainichi.jp/life/health/news/20080326ddm003100080000c.html

和歌山放送の番組でも和医大の駒井先生が批判的な意見を述べられていたやに記憶しています。血糖値など、ほかにも指標があるとはいえ、がっちりした体格の人はまずBMIや腹囲でひっかかりやすくなることも懸念されます。

毎日新聞の記事では「福岡県内のある市の試算では、保健指導の対象者は同市の国保加入者のわずか3%。血糖などに異常があっても、腹囲は基準以下という人も多いからだ」とされています。新聞記事ですから比較的極端な例かもしれないことを差し引いても、あまり意味をなさない健診になりそうなのは推測できます。


何よりも、記事中の
「「介護保険制度は何回も改正が繰り返された。特定健診でも同じことになるのではないか」。秋田県内の別の市は懸念する。厚生労働省の情報提供の遅れによる準備不足を不安視する声が目立つ。」
ですよ。

介護保険法、障害者自立支援法の時にも厚労省からの通知が次から次におりてきて、しかも来るたびに細かい修正が入っていたりして、いったいどれが正しいのか、現場(しかも県、市町村、福祉事業者の三者が三様に...)は制度導入間際まで大混乱していたのをよく聞かされたものです。県も正確な確定情報がなかなかおりてこないから市町村に通知できない、事業者はなおのこと。その話を聞いたときには、双方からつつかれる立場の県の担当者に同情したくなりましたです・・・。

かつて、とある児童福祉施策について研究した経験から、国の福祉系施策は「地方分権を目指す立場から地方の実情に応じた施策を展開する」ことになっていると理解していたのですが、介護保険といい、自立支援法といい、今回のメタボ健診といい、現場のことはお構いなしに「とにかく4月から導入せよ」の一本槍のようです。今の幹部が俺はこういうことをやったぞ的なアピール効果しかねらっていないとも邪推できます。

「急に国からこんな話が来て・・・」なんてことは県行政に携わっている方からはよく聞きます。また、国関係の予算を使って事業をしている方からも「昨日になって、あと2週間で事業計画を出してほしいと言われた」的な話もよく聞きます。
国はひょっとしたらそれを専門に仕事しているのかもしれませんが、県や市町村、事業者など末端はそれだけを専門の仕事にしているわけではありません。そこいらへんをあまり国の役人はわかっていないのでは、なんて話もよく聞くのも事実です。

結局中央集権にしたいのか?この国は。よく方向性がわからんです。


ちなみに、国の官僚はとにかくよく働くそうです。部局や個人によっても違うでしょうが、終電当たり前的な人も多いとか。それだけ仕事に没頭しているほうが健康に悪いような気がするのはわたしだけでしょうか。